中鎖脂肪酸(MCTオイル)の健康効果
私達現代人の一般的な食事では摂取するカロリーの50%~70%を糖質が占めていると言われています。
その人の体重や労働環境、運動量などによって消費カロリーはそれぞれ異なりますが、平均的には1日ひとり250~400g程度の糖質を摂取しているといわれています。
その一方で、絶食状態の時や糖質摂取量が極めて少ない時には脂肪を主に燃焼させてエネルギーにかえて生活することになります。この時、ブドウ糖のかわりに脳や体のエネルギー源になるのがケトン体です。
ケトン体の成分のうち、βヒドロキシ酪酸と呼ばれる成分は単なるエネルギー源としてだけでなく、遺伝子発現や細胞機能にも良い影響をもたらすことが分かってきています。細胞内のミトコンドリアを増やし、インスリン感受性を高めることで、ブドウ糖代謝を促進して血糖値を下げる効果も認められています。酸化ストレスに対する抵抗性を高める作用もあり、2型糖尿病の合併症を改善する効果も報告されています。このようにケトン体はさまざまな病気の発症を予防し、認知症やがんなどの進呈を遅らせたり、止めたりする効果を発揮することが近年あきらかになっているのです。
体がエネルギーを必要とするとき、私達は空腹感を覚えます。空腹感とは体が糖質を欲しがっているということにほかなりません。昔の人は空腹を覚えても、高カロリーで糖質たっぷりの手短な食事がありませんでした。すぐに糖質を補給することはできないので、体内に蓄えた脂肪を燃焼させることでエネルギーを得て生き延びていました。しかし食べ物が豊富に手に入る現代の私達は、空腹を感じた時にすぐに糖質のたっぷり含まれた食事を摂る事ができます。そうすると、脂肪が燃焼されることなく、次から次へと糖分を摂取することになります。それが1日3回、365日続くので脂肪は蓄えられる一方になります。
ブドウ糖はタンパク質と結びついて働きを低下させます。これをタンパク質の「糖化」と呼び、糖化タンパク質から精製される物質をAGEと呼びます。AGEはタンパク質をさらに変性させて炎症や酸化ストレスを高め、老化を促進します。例えば脳神経細胞は増殖や再生をせず一生使われる為、変性が蓄積すると機能が低下していきます。血管のタンパク質も寿命が長く一生使われるので変性が蓄積すると、血管が細くもろくなって、色々な臓器の働きが低下してしまいます。
また、糖分は体の中でドーパミンの分泌を促します。ドーパミンは、脳機能を活発化させて快楽を生み出します。恐ろしいことに麻薬等と同様に、甘いものには依存性があり、次第に同量ではドーパミンが生み出されなくなってしまう為、人はより多くの甘いもの、糖分を欲するようになります。依存性なのでドーパミンの働きが低下して、不安を覚えるようになったり、イライラ等の禁断症状がでるようになります。コカインよりも糖分のほうが脳報酬系を刺激するという研究結果もあります。つまり糖分には麻薬よりも依存性があるということです。
とはいえ糖質を完全に制限するのは人によっては苦痛に感じることでしょう。MCTオイルと呼ばれる中鎖脂肪酸オイルを摂取すれば、糖質をある程度取ったとしてもケトン体を体の中で生み出すことができます。
中鎖脂肪酸は、長鎖脂肪酸に比べて長さが短いため、水になじみやすい特長をもちます。そのため、水に溶けやすい糖などと同様に、門脈を経由して直接肝臓に入り、分解されます。
一方で通常の油は小腸から消化・吸収されたあと、リンパ管や静脈を通って脂肪組織や筋肉、肝臓に運ばれ、必要に応じて分解・貯蔵されます。
消化・吸収後の経路が異なるため、MCTは、一般的な油に比べて、約4倍も速く分解されて短時間で燃焼されるのです。
MCTオイルは分解が早い為、人によってはお腹がゆるくなってしまうことがあります。NIS:IIカプセルのように腸溶特殊カプセルコーティングされたサプリメントであれば、消化器に負担をかけずに摂取することができます。
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中鎖脂肪酸は長期的に摂取すれば、内臓脂肪の減少や、メタボリック症候群の改善効果が報告されているきわめて健康的な油です。アルツハイマー型認知症の予防についても効果が期待されています。